見聞色の覇気と「万物の声を聞く力」について

強力な必殺技“覇海”で最悪の世代を攻撃した後、カイドウが「“声”が消えねェな…」と言っています。このカイドウが言う“声”というのと、ロジャーが聞いたという「万物の“声”」は同じモノなのか全くの別物なのか。万物の声を聞く力というのは見聞色の覇気に関係しているのかどうか。そんな話を今回は。
ー画像はONE PIECE第1009話より引用ー
【カイドウが聞いている“声”】
カイドウが消えないと言う“声”というのは…

頂上戦争編の第579話のコビーであったり、空島編の第264話のアイサが消えて行くと言っていた“声”と同一のモノだと思われます。それは「音としての“声”」ではなくてですね。

見聞色の覇気(=空島の“心綱”)によって「感じられる気配」を“声”と称しているんだと思うのです。聞こえて来る話し声が消えて行ってるのではない。感じていた人の気配が消えて行ってる。それが「死」を予感させるからコビーやアイサは恐くなったのだと思うんです。
カイドウもまた実際に最悪の世代が話す“声”を聞いている訳ではないんですよね。ローの「一人引きはがすべきだ」という言葉が聞こえていた様には思えません。
<見聞色の覇気>
“声”=気配
この気配の中に思考や感情というのが乗っかってるみたいです。それが読み取れるから攻撃を避ける事ができるのであり、

ルフィはルスカイナの猛獣達の感情を読み取っていたんですよね。それは実際の「音としての“声”」を聞いている訳ではないと思うのです。研ぎ澄まされた感覚の範囲内のモノと考えます。
ここが「万物の声を聞く力」との決定的な違いではないかと考えています。ただし、見聞色の覇気にも幾つか例外がありますので、そちらから先に。
【見聞色の覇気+雷の体】
見聞色の覇気にとっての“声”は気配であるとしましたが、エネルの場合は違ってるんです。実際に「音としての“声”」を聞いているんです。ただし、エネル本人が言ってる様に「私の場合 特別だ(第278話)」って事なんですよね。

見聞色の覇気(=心綱)に加えてゴロゴロの実の能力があるから、電波を読み取って会話(声)が聞こえるみたい。ゴロゴロの実の能力があってこそだと思われます。
このエネルの例を挙げて、見聞色の覇気でも実際に「音としての“声”」が聞けるとするのは少し違う様な気がしています。
【少し先の未来が見えるカタクリ】

第860話のカタクリの初登場。彼はベッジが言うだろう「わかった… ならいい」という言葉を言い当てています。カタクリは少し先の未来が見えるんですよね。それは見聞色の覇気を鍛えすぎて身についた力です。
これに関して、見聞色の覇気で「音としての“声”」を聞いているとするのは少し違うんじゃないかと思うんです。声を聞いてるのではなく未来を見た結果なんですよね。
この未来を見るというのがよく分からない。感情を読み取ったトコロで見る事など不可能である筈の未来を見ているんですね。

結婚式でプリンの未来を見るのですが、あの時点のプリンの感情を読み取ったって未来を予見するなど不可能です。プリンが倒れるのは、サンジに「美しい瞳だ…」と言われたからです。そんな事を言われるなんてプリンは思ってませんでした。しかし、カタクリはその時点でプリンが倒れる未来を見てる!!
文字通り未来を見てるとしか思えない。見た未来の光景に出て来る言葉を聞いています。ただし、これもやはり「万物の声を聞く力」とは別物ではないかと思うのです。万物の声というのは気配(思考・感情)などではなく実際の話し声なのです。それを聞くのです。
つまり、

ロジャーやルフィの「万物の声を聞く力」というのは見聞色の覇気の範疇から外れたモノではないかと考えています。
【万物の声を聞く力は見聞色の覇気ではない】

ロジャーにしても光月おでんにしても海王類の“声”そのものを聞いています。気配を感じてのモノではないのです。明らかに話し声を聞いているんですもんね。
<万物の声を聞く力>
“声”=音声としての声
その力というのを見聞色の覇気に似た様なモノ、と言えるとは思います。しかし、見聞色の覇気に含めてしまうのは少し違うかなぁと。万物の声を聞くというのは… 言葉を発する筈のない者達の声が聞けるという事だと思います。それは感情などとは違っていて…

声の主が発する“声”そのもの。

アラバスタ編でゾロが石の“呼吸”なるモノを感じていましたよね。それは気配よりもクッキリしたモノと話していましたが… これがロジャーなら「音としての“声”」で聞いたかも知れない。

実際に石(ポーネグリフ)につまる“声”を聞いています。ゾロよりもう1歩踏み込んでるんですね。転がる石ころだろうがポーネグリフだろうが、上のゾロの場合は人の手が入った建造物のガレキなど… それらには何かが宿っていたりするのかも。ただ、そこから発せられる“声”が聞けるかどうか。ここに違いがあるのではないか。
つまりですね。
ゾロは「万物の声を聞く力」を持ってはいない。あくまでも見聞色の覇気の範疇から石の“呼吸”を感じただけだと考えています。Mr.1との戦いで死の淵に立った事で感覚が研ぎ澄まされた結果、気配よりもクッキリとした“呼吸”を感じたのでしょう。
ゾロが更に見聞色を研ぎ澄ませようが、カタクリが更に見聞色を鍛えすぎようが…

ルフィの様に海王類の声が聞こえる様にはならないと思うんです。それは、この「万物の声を聞く力」というのが見聞色の覇気によるモノではないからだ、と考えればどうでしょう。
それはつまり…

プリンの第三の目が開眼すればポーネグリフを読み取る力が得られるのだとして、それは見聞色の覇気なんですか?って話なんです。見聞色の“見”なのかな?
違いますよね?
三つ目族と呼ばれる種族の持つ力の覚醒ですよね。プリンが見聞色の覇気を覚醒するのを待っている訳ではないのです。このマムが期待するプリンの力というのと…

ロジャーの「万物の声を聞く力」は同じという話があるんですよね。そうマムが言っていたのです。ただし、マムの認識には間違いがあります。ロジャーは万物の声が聞けただけであってポーネグリフの古代文字は解読できていません。それは読み書きを伝承して来た光月家のおでんがいたから。
だとしても、ロジャーの万物の声を聞くという奇妙な力がポーネグリフを読み解くという言い伝えがあったのは確かなのでしょう。そして、それはプリンの三つ目族にもですよね。おそらくは。
となるとですよ?
ロジャーやルフィ、そして光月おでんやモモの助が持つ「万物の声を聞く力」というのは見聞色の覇気に答えを求めるのではなく種族に求めるべきなのかも。種族としての特殊能力の可能性です。
まさか…

歴史の彼方に消えちまった種族!?
【歴史の彼方に消えちまった種族】

モモの助が“くじらの樹”から声が聞こえる事に関して、錦えもんは父おでんの体質に似ていると話していたんですよね。どうも遺伝っぽいんですよ。体質という言い回しも気になりますよね。
まだ分からないのですが、隠し名でなければ光月家は“Dの一族”ではないのです。この「万物の声を聞く力」の有無を“D”に求める事は現時点では無理であります。
そこで、歴史の彼方に消えちまった種族です。
この種族の血が混じる血族が存在していて。それがロジャーでありルフィであり光月家である。ただし、その血族なら誰でも力を持つのではなく、第三の目の開眼と同じく力が覚醒した選ばれた者だけの能力という話ならどうでしょう。
歴史の彼方に消えちまった種族とは…

クローバー博士の話に出る「ある巨大な王国」に存在した人々って事になるでしょうか。その王国に住む者達は普通の人間ではなかったのかも。例えばジョイボーイです。ジョイボーイは人間ではない「ある種族」だった。だからこそ…

人間に差別される魚人島の人々はジョイボーイを信頼したのではないか。まず間違いなくジョイボーイは人間ではなかった筈なのです。今でも魚人島の人々は人間を信じられないのに、800年も前の時点でジョイボーイが人間なら約束なんて出来たと思えないんですね。
マムの言う歴史の彼方に消えちまった種族というのは、キングとは別に存在した「ある巨大な王国」の人々の様な気がしてます。この種族の血に「万物の声を聞く力」があったのかも。それをルフィは受け継いでいるって事になるのかな?と考えたりしてます。ルフィだからこそ覚醒したって話なら、ガープやドラゴンが同じ力を持っていなくても説明は可能かも。
あの「万物の声を聞く力」というのは見聞色の覇気に区別するのではなく、その血(種族)に受け継がれた特別な能力と考えるのはどうでしょうか。プリンの第三の目の能力と同一の可能性あるかもです。
【モモの助の声がズニーシャに届いたのは】

モモの助だけズニーシャの声が聞こえるだけじゃなく、ズニーシャに声を届ける事が可能でした。これに関しまして、モモの助が声を届けられるのはズニーシャだけだと思います。
そうでなければ古代兵器ポセイドンの存在意義が薄れます。モモの助だけは「万物の声を聞く力」にプラスして「万物に声を届ける力」があるなどとすると、海王類にも声が届くのか?って話になるのです。

もうそうなればモモの助も古代兵器ポセイドンと呼べてしまうのです。これは流石に無理があるんですね。あくまでもモモの助の声が届くのはズニーシャだけ。おそらくズニーシャとモモの助には何らかの関係性があると思うのです。それは…

スーロンとなって暴走したペコムズに対して、ペドロの声だけが届いたのと似ているんだろうなと考えております。ズニーシャの背中を故郷とするペドロとペコムズの関係。ただ1人声が届いたって話だったんですよね。

モモの助が問うていましたが、ズニーシャは光月家について何か知っている。何らかの関係性が大昔にあったのであり、その事がモモの助の声が届いた理由だと考えています。ズニーシャが犯した罪というのと光月家が関係してる可能性があります。
これは見聞色の覇気ではないと思うのです。
声が届いたのも、声が聞けるのも空白の100年に遡る話があるんじゃないのかな。そんな気がするんですよね。
【まとめ】

カイドウは見聞色の覇気で気配を探ったのだと思うんです。それは見聞色の覇気によるモノであり、実際に「音としての“声”」が消えないと話している訳ではなさそう。あくまでも気配(=声)が消えないな、と。
見聞色の覇気にも例外がありますが…

レイリーの言っていた「万物の声を聞く力」というのは実際に「音としての“声”」が聞けるんですよね。気配から察したモノではないのです。話す筈のない者達の“声”が聞ける。ここが見聞色の覇気との大きな違いだと思います。
「万物の声を聞く力」というのは見聞色の覇気などではなく、三つ目族の能力と似たモノであって、種族の特殊能力に答えを求めるべきではないだろうか。

それは歴史の彼方に消えちまった種族というのが関係してそうな気もするんです。まだまだ謎は多いのですが、今のところはコレで待ってみようかと思います。
どんな秘密があるんでしょうね?
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