【宗教問題】イムと天竜人と“太陽の神ニカ”

この世界の創造主であり神とされる天竜人。その最高位である五老星が膝をつく“虚の玉座”に腰かけるイム。そこに“太陽の神ニカ”はどの様な位置付けとなるのか。ONE PIECEを宗教観の側面から考えてみようと思います。
-画像はONE PIECE 第908話より引用-
【「宗教」の違い】

-ONE PIECE 第956話より引用-
ONE PIECEにおける「宗教」に関する話はガープから出ていました。ちょうど世界会議を終えて魚人島に帰還したネプチューン王との会話で出ていたんですよね。
国の「貧富」と「宗教」の違いは国王同士の横並びを許さない。貧富の差は国力の差となり、どちらの国王が上かという話になるのは分かります。では、なぜ宗教の違いが国王の横並びを許さないのか。我らが上だ、いや我らこそが… となるんですよね。
自国で信じられる神こそが神であり、その他の国で信じられる神など認められない。あなたが信じるのは神ではなく「神を語る悪魔」だ。こういう事が起きているんだろうな。そんな気がするんです。だからこそ横並びなど許されないのかも。
さて、
宗教の話はとてもデリケートでして、そしてまた複雑です。よって実際に現実世界にある宗教を引き合いに出す様な事はしません。何かを想定して書いたりしてませんからね。あくまでもONE PIECEの世界における話として読んで頂きたく思います。よって、さらに具体的に踏み込みたいといった箇所があってもストップさせて頂きますね!!
【世界政府における“神”】

-ONE PIECE 第763話より引用-
人間宣言をした天竜人ドンキホーテ・ホーミング聖。これに他の天竜人は激しく怒ります。冒涜だとね。天竜人というのは“現人神”であると考えられます。この世に人間の姿で現れた神。創造主の子孫ですもんね。
その神である天竜人の“もっと上”がいる。
天竜人の最高位である五老星が膝をつく存在。イム様と呼ばれる“虚の玉座”に座る「たった一人の王」であります。まだベールに包まれた存在であります。謎だらけ。しかし“独裁者”である事は確かなんですよね。その玉座に座るという事は。
イムこそが“唯一絶対神”なんだと思うんです。ただ1人の神(唯一神)。そのイムによって19人の王達は権力を授けられた。神を名乗る事を許された。その末裔が神とされる天竜人である。こう仮定できないだろうか。
世界政府というのは唯一神信仰にある。
↑この様に言えないかなと。
【シャンドラの信仰】

-ONE PIECE 第287話より引用-
ポーネグリフを守り滅びたというシャンドラ。ここでは「太陽の神」「雨の神」「森の神」「大地の神」と様々な神の存在が登場します。大きな蛇を「カシ神様」と呼んでおります。蛇を神、あるいは神の使いと信じているんですよね。
そして先祖を神の様に尊敬しており、先祖の魂は鐘の音に導かれて木に宿ると信じておりました。木々に魂が宿り自分達を守ってくれているとね。
これはワノ国にも通じる部分がありそう。
白い猪を「山の神」と呼んで神の使いとしていたりだとかね。光月おでんに斬られる事になるのですが、蛇の「カシ神」の方も斬られる事になりましたよね。これらは何を示しているのか。
シャンドラというのはアミニズムに他なりません。おそらく雨が続けば「太陽の神」に祈り、日照りが続けば「雨の神」に祈る。地震が起きれば「大地の神」がお怒りだ、といった感じなのかも。
これら様々なものに神がいるという信仰と、唯一神信仰は相容れない関係性にあると言えると思うんです。唯一の神というものを信じる者達にとっては救いだろうが罰だろうが、それは唯一神がなされた事であると。祈る神は1つ。
ポーネグリフを守り滅びたシャンドラは何と戦ったのか。おそらくは20の国の連合国か、あるいは世界政府という事になりそうなんですよね。ここに宗教の対立が当てはまるのかどうかなんです。シャンドラにとって世界政府の神は神と呼べるのか?と。そんなものは信じない!! となったりしなかったのだろうか。
【エルバフの神】

-ONE PIECE 第116話より引用-
エルバフの村には「エルバフの神」と呼ばれる存在があります。何か争いが起こったなら「エルバフの神の審判」を受ける。正しい者に加護を与え正しい者を生き残らせる。こう信じているんですよね。
エルバフの巨人達は太陽への感謝の祭りだと思われる「冬至祭」というものがあります。この太陽と「エルバフの神」の関係性は不明です。太陽信仰があっての「エルバフの神」なのかも。もしかすると太陽神と「エルバフの神」は同一視されているのかもね。ここは見守るとして。
エルバフと世界政府の関係もまた不明です。おそらく世界政府には加盟していないと思うんです。ここにも宗教の対立があったりするんじゃないか?と。これは互いに唯一神を信仰する事で起こる対立を想定しています。
エルバフにとっては唯一絶対神である「エルバフの神」こそが神であって。それ以外の神の存在は認められない。天竜人を神とは認めないし、イムなどが唯一神などとは絶対に認められない。
こういう事になるのかな?
【太陽の神ニカ】

-ONE PIECE 104巻より引用-
“太陽の神ニカ”と呼ばれる存在。
そういう信仰があるんですよね。その神となれる悪魔の実があり、その能力を覚醒させてルフィが“太陽の神ニカ”となれる様になりました。この神を信仰するのは奴隷達であって、いつか自分達を解放してくれると信じている。そんな存在。
この能力をルフィの前に覚醒させたのがジョイボーイであって。今から800年前に、この世に“太陽の神ニカ”が実際に現れたという事なのでしょう。ジョイボーイは“現人神”となった!! 世界中の奴隷達は歓喜したのかも。
ここに20の国々の信仰との対立を呼んだ可能性はあると思うんです。“現人神”であるジョイボーイの出現は世界中に革命の火種を呼び込んだのかも。世界中の奴隷達に力を与えたのかもね。まるで今の“炎帝”サボの様にです。
問題はジョイボーイが自らを神と称したのかどうか。“太陽の神ニカ”になったとしても自分はあくまでも人間ですよ、と。こういう考え方ならば対立しない国もあるでしょう。シャンドラはそうなのかなぁと。ではエルバフはどうだろうか。

-ONE PIECE 第129話より引用-
これから先、麦わらの一味がエルバフを訪れるのは確実だと思うんです。そこで“太陽の神ニカ”となれる様になったルフィが受け入れられるかどうかは未知数だと考えています。争いを呼ぶ可能性はあると思うんです。「エルバフの神」というのが太陽神ならばね。神の正当性というのが対立を呼ぶ可能性はあります。
ここまでエルバフ編を引っ張っているのには理由がありそうです。800年前のジョイボーイ(太陽の神ニカ)とエルバフの関係性には何かあったと思うんです。不穏な何か、かも知れない。
少なくともイムや20人の王達とジョイボーイ(太陽の神ニカ)には確実に対立を呼んだのだと思うんです。その結果が空白の100年なんだと思うんですよね。宗教の問題がありそうなんですよね。

-ONE PIECE 第1023話より引用-
ルナーリア族の国があった場所に聖地マリージョアができたのなら、ここには聖地の問題というのがありそうで。神の騎士団などが登場するのも宗教に関する問題が800年前にあったという事なんじゃないのかな?と。
この記事の冒頭のガープのセリフ、そこに出る「宗教」というのが今後のストーリーにおいて重要な軸になって来そうな感があります。もう資源や貧富というのは出てますからね。どんな風に描かれる事になるのか。
まず“太陽の神ニカ”となったルフィに関しては世界政府との戦いと共にエルバフ編にも注目したいです。ここら辺から大きく宗教について取り上げられる事になりそうな。
見守りたいです!!!
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