【黒炭家ノ怨念】「燃えてなんぼの“黒炭”で候」について思う事

燃えてなんぼの!!! “黒炭”で候っ!!!
光月家による仇討ちが浪曲となって語り継がれる。そのクライマックスの日和のセリフが上のモノでありまして。ここに観客(ワノ国の人)が喝采を浴びせる事やコール&レスポンスしている事が少し物議を醸している様で…。
-画像はONE PIECE 第1057話より引用-
【ワノ国の人々による黒炭家迫害】
今回の件で問題視されるのは何なのか。ワノ国の過去が大きく関わっているんですよね。黒炭家の怨念が生まれた原因であります。

-ONE PIECE 第971話より引用-
そもそもワノ国の人々が“黒炭家”を迫害しなければ悲劇は起こらなかった。黒炭オロチも祖父の罪については納得しています。お家断絶についてもね。問題はその後です。
「黒炭」の名がつけばガキでも罪人
ワノ国の人々によって“黒炭家”は徹底的に弾圧されたと言います。ここが黒炭オロチの原点とも言えそう。そこに取り入ったのが黒炭ひぐらし。その口車に乗せられるオロチもオロチですが、やはりワノ国の人々の罪というのはあるのです。
そのワノ国の人々による“黒炭家”の迫害が悲劇を生んだのに、それについては何ら解決する事なく。“黒炭家”こそが悪ですよで落とすのはどうなのか?と。
まずココになるでしょうか。
【燃えてなんぼの“黒炭”に候】
そこで問題の「燃えてなんぼの“黒炭”に候」なるセリフについてであります。僕は別に“黒炭家”を指して「燃えてなんぼ」と言っているとは思いません。
もちろん解釈は自由ですよ!!!
僕の解釈を述べさせて頂きます。

-ONE PIECE 第1057話より引用-
まず浪曲の演目として描かれておりますから、史実か創作かを曖昧にしている事が1つ。実際に日和がそう言ったのかどうか分からない。浪曲師の演出が多分に含まれている可能性アリです。

-ONE PIECE 第1057話より引用-
そんな日和のセリフの“黒炭”の部分が何かと何かを“掛けている”のは分かると思うんです。ダブルミーニングです。言葉遊びなんですね。「“黒炭”=黒炭家」としては意味を汲み取れていない。
こう僕は考えておりまして…
問題は何と何を掛けて“黒炭(くろずみ)”としているのかなんですよ。ひとつは分かりますよね。「黒炭(こくたん)」です。いわゆる木炭です。木材を炭化させて作る燃料です。
これと何を掛けているかというと…

-ONE PIECE 第1048話より引用-
日和の目の前で炎上する黒炭オロチなんだと思うんですね。あなたの様な人は“黒炭(こくたん)”と同じく「燃えてなんぼ」の存在だ。「燃えてなんぼ=燃えてこそ価値がある」。ワノ国にとって百害あって一理ナシ。燃えていなくなれ。
木材を不完全燃焼させて作るのが木炭(黒炭も含む)です。それはつまり、くすぶる黒炭家の怨念を意味しており。その木炭を燃焼させれば残るのは消し炭のみ。
黒炭オロチさえ燃え尽きれば…

-ONE PIECE 第1057話より引用-
“黒炭家ノ怨念”もまた燃え尽きる。
なぜなら、
黒炭オロチがワノ国の将軍になった後、彼に取り入る“黒炭家”というのが描かれていないからです。カン十郎のみです。“黒炭家ノ怨念”とは言いますが、それは黒炭オロチ個人の怨念なんですよ。そこに引き込まれたのはカン十郎のみ。
おそらくですが、迫害されて辛酸をなめた“黒炭家”においてオロチに融合したのはカン十郎だけじゃないかな。それ以外の黒炭家は名を捨ててヒッソリ暮らして来たのではないか。こう僕は考えていまして。
結局のところ…
すでに黒炭ひぐらしと黒炭せみ丸は死に、黒炭オロチと黒炭カン十郎が死んだなら“黒炭家ノ怨念”はワノ国から消えてしまったのではないかと考えます。しかもオロチを焼いた炎こそが“黒炭家ノ怨念(火前坊)”なのです。その怨念に自ら焼かれているのです。
日和のセリフは、黒炭オロチが燃える事で“黒炭家ノ怨念”も断たれるのを宣言するモノであって。黒炭家との遺恨はコレにて終わり。これからは平和な光月の世が訪れますよ、と。
そのセリフに、
黒炭オロチの地獄から解放されたワノ国の人々は喝采する。長かった夜が明けて、また再び光月家による治世に戻って良かったねと。そこに、おいおい喜べる立場なのか? なんですよね。
【ワノ国と世界のこれから】
ワノ国の人々による黒炭家に対する迫害が原因となっているのは事実です。そこについては一切触れられておりません。だからといって、触れないから無かった事になっているとは言えません。
①黒炭家による将軍家簒奪計画
↓
②黒炭家に対する迫害
↓
③黒炭オロチによる復讐
↓
④黒炭オロチが討たれる
この数十年にも渡る歴史の上に立っての今ならば、別にワノ国の人々は喜んではならないとは思わない。ちゃんと過去は過去として、そして未来へと踏み出そうって事じゃダメなんでしょうか。

-ONE PIECE 第211話より引用-
過去を無きものになど
誰にもできはしない!!!
↑ワノ国の人々も、黒炭家に対する迫害の過去の上に立って生きて行けば良いのではないのかな。そういう過去が黒炭オロチという存在を生み出したんだ、と。
教訓として残ればね。
やっぱり黒炭オロチ達がした事は許されるモノではないんです。悪は討たれねばならない。それを生み出したかも知れないワノ国の人々ものうのうと生きて来たワケじゃないんですしね。
いや、それでも許されない!!
どうにも納得できない!!
スッキリしない!!
↑そういう事ならソレで良いと思います。説得するつもりはありません。でも僕は未来へと踏み出そうと思います。もう黒炭オロチの様な存在はワノ国には現れないと信じます。終わったと考えます。
例えば魚人島と人間にしても…

-ONE PIECE 第644話より引用-
何らかの解決が待っているハズです。
魚人を差別した人間、逆に人間を差別した魚人。どちらでもなく仲良く暮らす魚人と人間というのもいます。その全ての者達に何かしらの未来が待っているハズなんです。
その問題に関する巨悪の存在がいるのかも。それを打倒した先に未来が待っているのかもね。それにしたって、まさか差別をしていた者(一般の魚人や人間)も全て断罪した上でなければ平和は訪れないなんて… どうなんでしょう。
ワノ国の人々にしても、世界の人々にしても積み重ねた歴史の上に立ちつつ未来へと進むんだと僕は考えています。今回でワノ国の内政問題は終わり、開国を経て世界に目は向けられるモノと考えております。
もう繰り返される事はないと思いますけどね。
しのぶの告白によって、ワノ国の人々による迫害が怨念の根幹となっている事は明かされていましたしね。何より…

-ONE PIECE 第971話より引用-
光月おでんが5年にも渡って「黒炭家」への謝罪の“裸踊り”をしたじゃないですか。ワノ国の人々に代わってね。それを黒炭オロチは足蹴にしたのです!!
一区切りつけて良いと思いますけど…
色んな考え方があると思いますし、どうにも今回の件が納得できない方はそれで仕方ないのかなぁと思います。ハッキリとは描かれておりませんのでね。その余白をどう考えるかは人それぞれになりそう。
最後に1つ、オロチの言葉を。
見ず知らずの“正義の味方”に追い回され
今度はまたワノ国の人々を… と繰り返したくはないですけど。これはある意味で真理をついていると言えそうです。
ひとまず僕個人の見解であります!!
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